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MV公開 【Re:CICLO】

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「循環即興古楽楽団シクロ 」というグループがあった。
北海道小樽で2006年に結成し3年ほど活動した3人組。
メンバーはマルチプレイヤー扇柳トール(シクロではフォークフルート)とドラムス、パーカッションの羽生一子、そしてぼくがコントラバスとコンピュータ(曲によって鍵盤ハーモニカも使った)


小樽時代(ぼくが小樽に住んでいた1998〜2011年頃)は、小樽倉庫No.1(小樽ビールのブルワリーパブ)のステージをホームグラウンドにして、ベーシストとしてよりも制作・プロデュース側での活動が多かったのだけれど、その中で珍しくぼく自身が演奏するグループとして活動していたグループだ。

「シクロ CICLO」というのは英語のCycleにあたるラテン語で、意味は円、輪、転じて自転車を指す。
ベトナムの三輪自転車もシクロだ。
楽曲は中世ヨーロッパの古楽を題材にしていた。
中世の楽器を使ったり、当時のチューニングやサウンドを再現するような方向では無く、あくまで楽曲として、そして即興演奏の題材として古楽を扱った。
ホームグラウンドであった小樽倉庫No.1が当時中世ヨーロッパをテーマにしていて、それに沿ったオリジナルな音楽での演出を、ということでその時代の古楽と題材にしたというわけだ。
エレクトロニクスやループ、コンピュータの導入は、予算的な理由で少人数でのユニットにするためでもあったけれども、やってみたかった、というのが正直なところだと思う。

札幌のケルティック音楽を演奏するHard To Findというグループでホイッスルやパーカッションを担当していた扇柳トールさんと、ドラマー羽生一子さんに声をかけて、最初のライブをしたのが2006年5月。
それから、小樽倉庫No.1の週替わりライブプログラムのひとつとして、毎月5日ほどのレギュラーライブを2年半くらい続けた。
小樽倉庫No.1以外での演奏は数少なく、札幌のライブハウスやカフェ、地方のイベントに数回出演した程度だったが、2007年に「坂本龍一プロデュース・ロハスクラシックコンサート2007」で渋谷オーチャードホールとさいたま芸術劇場に出演したことはとてもいい思い出。
坂本さんが監修するリハーサルでは、緊張したのか張り切りすぎたのか、ベースで作るループから始める曲でやたらと早く出てしまってメンバーから笑われたっけ。
2009年に店の運営方針変更で定期ライブはなくなったあと数回単発でライブをしたが、2010年には母体のレーベル(ピリカミュージック)が運営会社の都合で活動終了となり、さらに2012年にはぼくと羽生一子が北海道から東京に戻り、シクロの活動もそのまま止まったままだった。


そして今年2020年、憎たらしい新型コロナのおかげでステイホーム時間、つまり音楽を創るための時間が増えた。
そんな中、羽生さんから「シクロの曲作らない?リモートで」と提案。
それは確かに今がチャンス、ということで10月から作曲、トラック制作に着手。トールさんとはリモートで音源をやりとりし、3曲がようやく完成した。


3曲入りEP、タイトルは「Re:CICLO」にした。「Re: 」は13年前のシクロへの2020年からの返信、再邂逅、そしてリモートのRe などいくつかの意味が含まれている。
リリースは2月の予定だが、取り急ぎダイジェスト版のMV(動画)を創った。
まさか自分で動画の編集までやるようになるとは考えもしなかった。
それがこちら。