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動画公開 「Inspired by 春と修羅・序/宮澤賢治」

春と修羅サムネイル

「春と修羅・序/宮澤賢治」 をモチーフとしたダンス×音楽×朗読のコラボレーション 動画を公開しました。

アインシュタインの「全ての宗教、芸術、科学は、同じ一つの木から生えた枝である」という言葉に強い共感を覚えます。その幹に近づきたいという衝動で音楽をやっているのだと思います。そんな指向もあってジャズ・音楽以外の分野の表現者との共演の機会が多くありました。その方向を一歩先に進めたいと思い作った動画です。

素晴らしいメンバーの皆さんの相互作用で出来た12分ほどの作品。ここでは出演者について簡単に紹介します。

【ダンサー 東海林靖志、高橋真帆】
今回このプロジェクトの核となったのが東海林靖志さんです。最初に、曲も全く出来ていない段階でモチーフだけを投げかけて、そこから曲や振付の方針をお互いに出し合って創りました。
東海林さんと私は北海道小樽時代からの繋がりで、私の東京移住後には画廊でのイベントや札幌の舞踏家田仲ハルさんとのライブ「即興道場」などで共演。拠点を北海道に置きながら、様々なダンス・舞台公演で全国的に活動しています。また、2020東京オリンピック開会・閉会式の振付ディレクターを務めたダンサー・振付家の平原慎太郎さん率いるダンスカンパニーOrgan Worksのメンバーでもあります。ストリートダンス出身で舞踏の影響も受けながら独自に磨き上げてきた東海林さんの身体性とセンスには特別な魅力を感じます。
そして今回、ダンサーをもう一人、女性にしたい、と東海林さんに相談しました。それで紹介してもらったのが同じOrgan Worksで活躍している高橋真帆さん。しなやかで芯の強い美しさ、今回のテーマにマッチする個性、そして東海林さんと同じカンパニーでコンセプトやメソッドが共有されていることからくるコンビネーションも特筆すべきところです。

【演奏 マツモニカ harm、田中信正 piano、羽生一子ds(と飯田bass)】
今回の動画には音楽は3曲含まれています。最初と最後に出てくるメインテーマ「春と修羅」と2番目の「かげとひかり」を最初に作りました。
「春と修羅」はかなり最初の段階で「メロディーはハーモニカだな」と思ったことを覚えています。日本では数少ないクロマチックハーモニカ奏者で、ジャズ、ブラジル音楽、即興演奏など私との共通点が多く勝手に親近感を感じていたマツモニカさんにお願いしました。
ドラムの羽生一子さんは東海林さんと必ず合うだろうと以前から思っていたので、曲が出来る前からこのプロジェクトでは彼女にドラムを叩いてもらうことは決めていました。(実はこの二人の対談的ネット番組をずいぶん前に収録したのですが事情があり未公開なのです。そして羽生さんはドラムに加えて映像制作にあたっての照明、演出のディレクションも担当しています。)
この2曲のデモ音源が出来てから最初のリハーサルを東海林さんと羽生さんと私の3人だけでおこない、楽曲のイメージ、振付のイメージを持ち寄りました。その時に東海林さんと羽生さんのデュオをやってもらい、そのイメージを発展させて生まれたのが3曲目の「不確定性原理」です。
この曲が出来て、どう考えてもピアニストは田中信正さんだな、となりました。長年の私と羽生さんとの共演経験もあります。私の曲の楽譜を渡して何の説明もしなくても最初っから予想以上のサウンドが(期待通りに)ピアノから出てきます。美と狂気とユーモア。

【朗読 吉田歩】
これまで私の朗読との活動や作品としては、子供向けの「おはなしの森シリーズ」や谷川俊太郎さん、谷川賢作さんらとの「オタルコラージュ」、園崎未恵さんとの「音の読み物〜家守綺譚」などがありました。「歌手による朗読」というケースも多いです。
今回宮澤賢治の作品ということで最初は男性が良いかと思っていたのですが、どうも違う気がする。そこで男女はっきりしないような、中性的なトーンでやってみたいと思い至りました。
吉田歩さんは自身のユニットCaminoなどで活躍している歌手で、羽生一子さん率いるバンドHABUBANで昨年初共演しました。彼女の声ならイメージ通りの表現が出来るはずと思いお願いしました。朗読にあたって何度も打合せやリハーサルを重ね、吉田さんの中でだんだん宮澤賢治への共感が強まってきたことが作品全体のトーンに活きていると思います。

「Inspired by 春と修羅・序/宮澤賢治」
【ダンス 東海林靖志 高橋真帆/音楽 飯田雅春/朗読 吉田歩】

1.春と修羅 00:00
2.かげとひかり 02:34
3.不確定性原理 05:27
4.春と修羅 08:59

【出演】
東海林靖志 Dance 高橋真帆 Dance
マツモニカ Harmonica 田中信正 Piano 飯田雅春 Bass 羽生一子 Drums
吉田 歩 Reading

作曲:飯田雅春
撮影:はやしまこと 溝口伊久江
演出:羽生一子
振付:東海林靖志 高橋真帆
ヘアメイク:谷 友加里
編集:大宮大奨
Studio:MILARESO Record, cooljojo jazz + art, in the house / Hatagaya “Shack”
Special Thanks:亀和夫 長谷川 淳 飯田和紀
Organ Works DONFAN Sound Studio NOAH

プロデュース:飯田雅春
企画制作:ミラレソ株式会社